金沢大学 理工研究域機械工学系(理工学域機械工学類)


精密加工研究室

 本研究室では,航空宇宙用材料などの難削金属材料から生体材料としても用いられる脆性材料に至る種々の機械的特性を持つ材料の高精度・高能率加工に関する研究を行っている。また,電気エネルギーを利用した特殊加工である放電加工と電解加工の研究を行っている。当該年度の研究テーマは以下の通りである。

スタッフ

細川 晃 教授
Professor, Akira HOSOKAWA

主な研究分野:切削加工,研削加工,加工計測

小谷野 智広 助教
Assistant Professor, Tomohiro KOYANO

主な研究分野:放電加工,電解加工


ダイヤモンド砥石のレーザコンディショニング

 多大な時間と労力を要するダイヤモンド砥石作業面創成,すなわちコンディショニング(ツルーイング・ドレッシング・クリーニング)をレーザビームの照射により熱的に効率的に行う手法を構築し,研削加工の効率化・高度化を図ることを目的としている。

CFRP のエンドミル加工に関する研究

 主として航空機材料に使用される炭素繊維強化複合材料の高精度・高品位加工を実現することを目的として,高硬度DLCコーティング工具の開発を行い,問題となっている層間剥離や毛羽立ちのない高品位な加工面創成手法を構築することを目的としている。

PVDコーティング工具による難削材の高能率切削

 アンバランスド・マグネトロン・スパッタ法(UBMS法)によって,平滑性,低摩擦係数,工作物材料との不活性などの特性を有し,膜自体に潤滑性を付与した新しいコーティング工具を開発し,Ti合金やNi基合金などの耐熱性難削材の高能率切削を可能にすることを目的としている。

高切込み円筒プランジ研削における効果的クーラ ント供給法の検討

 研削時に発生する熱は工作物の研削焼けや加工変質層の生成など工作物に多大な熱的損傷を与える。そのため,研削加工では大量の研削液を供給しなければならず,廃液処理や研削液循環エネルギー増大などの問題が生じている。本研究は研削液の流れを制御できる機構を構築し,少量のクーラントで効率的に加工できる手法の開発を目的としている。

加減圧環境下での放電加工に関する研究

 放電加工においては高温のプラズマにより工作物が除去されて加工が進行するが,それと同時に加工液が蒸発して気泡が形成される。気泡は加工液による冷却を阻害し,加工の安定性を損なう可能性があるが,その影響は十分に明らかになっていない。本研究では加工液の加圧,減圧により気泡体積を操作することで,その影響を明らかにし,放電加工の高能率化を図ることを目的としている。

短パルス電源を用いたマイクロ電解加工の研究

 電解加工は加工変質層やクラック,バリが発生せず,工具電極が消耗しないという優れた特長を持つ。本研究では電解加工の工具として直径数十μm以下の極細線ワイヤを用い,極小スリットなどの微細加工 を実現することを目的としている。

その他,加工現象の解析や加工表面のキャラクタリゼーション,小型2色温度計の開発など,加工をとり まく周辺技術の研究もあわせて行っている。