金沢大学 理工研究域機械工学系(理工学域機械工学類)


レーザプロセッシング研究室

レーザ光を用いた加工法の改善や提案を行うとともに,温度,AE波,衝撃応力などを測定し,レーザ照射時の加工現象解明に向けた取組みも行っている.また,研磨加工や砥粒加工,手持ち工具による加工の研究も行っている.

スタッフ

古本 達明 教授
Professor, Tatsuaki FURUMOTO

主な研究分野:レーザ加工,レーザ歯科治療,ラピッドツーリング

橋本 洋平 助教
Assistant Professor, Yohei HASHIMOTO

主な研究分野:研磨加工,砥粒加工,手持ち工具,接触問題解析


金属粉末を用いたAdditive Manufacturingに関する研究

 金属粉末を選択的にレーザ結合しながら積層するこ とで3次元形状を得る積層造形技術を用いて,高機能な金型を製作することを目的として研究を行っている。
積層造形金型の変形抑止法の提案
レーザ照射による急熱・急冷作用,繰り返し照射による焼き入れ・焼き戻し効果,堆積粉末内部の空隙に起因した造形前後の密度変化などが原因で,造形物内部に残留応力が生じ,造形後に反りや寸法変化が生じる課題がある。本課題に対して,シミュレーションによる最適レーザ走査法や,加工条件最適化による残留応力低減法などを提案している。
状態監視による結合メカニズムの解明
ファイバ導光型赤外線輻射温度計を用いたレーザ照射部温度の測定,高速度カメラによるレーザ結合部の観察などを行い,粉末の溶融・凝集・固化の機構を調べるとともに,金属粉末のレーザ結合メカニズムの解明に向けた取り組みを行っている。

レーザ照射に起因した殺菌メカニズムの解明

 う蝕や歯周病など歯科疾病の原因菌に対してレーザ照射すると,殺菌効果が発現することが知られている。その殺菌メカニズムとして,レーザ照射による熱的,化学的,機械的作用によるものなど諸説考察されているが,詳細に検討した報告は少ない。そこで,レーザ照射時の歯質表面温度や誘起衝撃応力の測定などを行い,レーザ照射によって生じる現象を工学的見地から捉え,各種現象が殺菌に与える影響について検討し ている。

脆性材料のレーザ割断に関する研究

 レーザ割断とは,レーザ照射に起因して材料内部に生じる熱応力分布を利用して材料を分断する加工法である。本技術による高速・高精度加工を実現するため,レーザ条件や加工雰囲気を検討しながら各種材料(シリコンウエハ,サファイア,シリコン・ガラス積層ウエハ,化学強化ガラスなど)の最適加工条件を調べている。また,照射部温度やAE波などを測定して割断メカニズムの解明に向けたアプローチを行っている。

金型用冷却水管の内面加工に関する研究

 金型内部に配置された冷却用水管内面について,遊離砥粒を用いて水管内面を研磨加工する装置開発を行っている。各種加工条件を検討しながら,射出成形金型やダイカスト金型に本装置を適用し,冷却特性や型強度と併せ加工条件の最適化に向けた取り組みを行っている。

セラミックス基複合材料の各種加工技術に関する研究

 ニッケル基超合金の代替材料として期待されているSiCベースのセラミックス基複合材料について,レーザ,切削,研削など各種加工法の適用性を調べるとともに,CMC表面をレーザ照射しながら切削する熱援 用加工の実現に向けて取り組んでいる。

半導体デバイスの研磨に関する研究

 半導体デバイスの製造における主要工程のひとつであるCMP(Chemical Mechanical Polishing, 化学機械研磨)において,研磨レート向上や歩留り向上,生産コスト低減を目指し,研磨圧力分布の解析や研磨パッド表面形状に基づく研磨メカニズムの検討,研磨パッドのコンディショニングメカニズムの検討などの研究を行っている.

両面研磨に関する研究

 加工物の両面を同時に研磨加工する両面研磨は,半導体ウェハやブロックゲージなどの製造に不可欠である重要な加工技術であるにも関わらず,理論構築はほとんど行われていない.このため,技術開発の高効率化を目指し,研磨中のウェハ挙動の解析や研磨液の供給状態の検討などの研究を行っている.

手持ち工具に関する研究

 手持ち工具を用いた加工では,力の入力(大きさ,負荷位置,負荷方向)によって加工能率は大きく異なる.これまで作業者が経験的に選択していた加工条件について論理的な検討を行い,優れた工具開発につながる研究を行う.また,手持ち工具を工作機械に保持させた省人化技術に関する検討も行う.